ミニマリストの軌跡

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ミニマリストを広めた2人の若者【感動的な物語】

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ミニマリストという言葉は、日本では2015年頃からブームになりましが、実は、2011年頃からアメリカで広まり、4年ほど遅れて日本に入ってきたものです。

 しかし、日本で語られているミニマリストと、本場アメリカのミニマストは、実態がかなり違います。あなたが日本でメディアに取り上げられるミニマリストを見た時、「なんか元気なくね?」と思ったことはありませんか?本場のミニマリストはその逆で、エネルギーに満ち溢れ、人を惹きつけ、2000万人以上に影響を与え、多くの人の人生を暗闇から太陽の元へ解放してきました。

f:id:henlyblog:20180411125017j:plainミニマリストブームの火付け役は情熱に溢れ、多くの人の人生を暗闇から太陽の元へ解放してきた。

 ミニマリストブームの火付け役となったのは、ライアン・ニコデマス(Ryan Nicodemus)と ジョシュア・フィールズ・ミルバーン(Joshua Fields Millburn)という2人の若者。ライアンはアメリカの大手通信会社シンシナティ・ベルで働き、年収1000万円の暮らしをしていましたが、親友ジョシュアの影響で、仕事を辞めてミニマリスト生活を始めました。なぜ、彼は裕福な暮らしを捨ててミニマリストになったのでしょうか?

【ライアン】20代で年収1000万なのにうつ病に…

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↑ライアン・ニコデマス(sparefoot.

 
ライアンは、ミニマリストを始める前の生活を次のように述べています。

 「20代後半の私は1000万円以上を稼ぎ、欲しいものは何でも手に入れていました。数年に一回は高級車を乗り換え、ベッドルームが3つ、リビングが2つもあるマンションも持っていました。でも全然幸せな気はしませんでした。それでもいつか幸せになれると信じて、たくさん稼ぎ、たくさんモノを買いました。しかし、モノを買えば買うほど、私は幸せから遠ざかっていきました。鬱状態が何年も続きました。」

「そこで人生で大切なものについて考えました。私は、自分の健康も恋愛も情熱についてすら、ほとんど考えたことがないことに気がつきました。私のやってきたことは、他の人の役に立ってもいなければ、成長もしていません。私の人生には目的や生きる意味、情熱が欠けていました。」

 

【ジョシュア】母親と妻を同時に失う…

f:id:henlyblog:20180411125358j:plain↑ジョシュア・フィールズ・ミルバーン(joshuafieldsmillburn.

 
ライアンがメンタルをやられている頃、20年来の親友であるジョシュアに大きな出来事が起きました。

当時、ライアンと同じシンシナティ・ベルに勤めていたジョシュアは、27歳にして最年少の取締役に就任し、年収1000万円以上、豪邸を購入して贅沢な生活をしていました。ただ彼もライアンと同じように、幸せを追い求めて大量消費に走り、5000万円を超える借金を抱えながら贅沢な暮らしを維持していました。

そして2009年、母親を失い、同じ月に、最愛の妻までも離婚で失うことになります。

母親の遺品整理を通じてジョシュアは偶然、人生とって本当に重要なものだけ所有する生き方、ミニマリズムを発見します。彼はミニマリズムに出会った時のことを「それは夜の暗闇の中で光る灯台のようだった」と表現しています。(公式サイトThe Minimalistより)

 

【ジョシュア】すべて手放してみたところ…

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8ヶ月かけて、ジョシュアは持ち物のほとんどを手放します。家を売りに出し、オハイオ州にある小さなアパートで生活を始めました。彼が持ち物を手放すにつれて、彼はより自由で、より幸せに、軽くなるのを感じ始めました。環境の雑音(モノ)が取り除かれたことで、内面の雑音(感情的な混乱、精神的な混乱、ストレス、不安)も取り除かれたのです。

 さらに、簡素な食事と1日18分の運動は、当時太っていた彼の体重を30kg減らし、ジョシュアの身体をスリムに変身させました。

 そんな時でした。辛い出来事が重なったにも関わらず、充実感をただよわせるジョシュアを見て不思議に思ったライアンは、彼をランチに誘い、こう尋ねました。

 

一体、お前はなんでそんなに幸せそうなんだ?

f:id:henlyblog:20180411125628j:plain↑「Why the hell are you so happy?」(一体、お前はなんでそんなに幸せそうなんだ?)

 
ライアンには信じられませんでした。人生でいちばん辛い出来事が2回も立て続けに起きたのに、なぜそんなに幸せそうなのか。ちょっと前まで自分と同じように鬱々としていたのに…

ジョシュアは20分かけてミニマリズムについて語りました。数か月もの間、物事をシンプルにすることにフォーカスし続けたこと。本当に必要なものを迎え入れる為に邪魔なものを整理したこと。そしてジョシュアは、ミニマリストとして生きる人々をライアンに紹介しました。(You tube)

 

f:id:henlyblog:20180411125841j:plain↑4ヶ月ごとに行ったことのない国へ所有物すべてを携帯して旅に出る起業家のミニマリスト

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↑36歳で二児の父のミニマリスト

f:id:henlyblog:20180411125902j:plain↑10代の娘を持つ40代主婦のミニマリスト

f:id:henlyblog:20180411125912j:plain↑サンフランシスコで6歳の息子を育てるパパ(38歳)ミニマリスト

 
彼らはそれぞれ違う人生を歩んでいるように見えて、共通点があることにライアンは気づきました。彼らは目的を持って意味のある人生を送り、情熱を持って生きていたのです。ライアンには、大企業で見てきたどんな「リッチな人」よりも、彼らのほうが豊かな人生を送っているように感じられました。

 
ライアンの決意は固まりました。

「オーケー!やってみるよ。ミニマリストになってやる!」

すぐに結果が欲しかったライアンは、ジョシュアと一緒に自宅で‟Packing Party“(荷造りパーティ)を決行することにしたのです。

f:id:henlyblog:20180411130130j:plain↑「Packing Party」(荷造りパーティ)とは?(Ben Hoyt

 

持っているものの80%はムダだった

 
二人はまるで引っ越しの時のように、ライアンが所有するすべてのモノをダンボール箱に詰めていきました。服、キッチン用品、タオル、テレビ、電子機器、家具…。

9時間以上かけてすべての梱包が終わったとき、ライアンの家は一気にがらんとしました。10年もの間、幸せになるために手に入れてきたものが「すべて」箱詰めされたのです。

「21日間、必要なものだけを箱から出して使う」

 これが、Packing Partyのルールでした。翌日から21日間、ライアンは必要なものだけを箱から取り出しながら生活しました。

 21日後…箱詰めしたモノの80%は開けられることなく、そこにただ置かれていました。

 幸せを感じる為にモノを買いつづけ、入手し続けたブランド品・洋服・家電・家具・便利用品は、結局ライアンを幸せにすることなく、ただそこにあっただけでした。

f:id:henlyblog:20180411130406j:plain↑持っているものの80%は無駄で、ただそこにあるだけだった(You Yube

 

人が「有意義な人生を送る」支援をしたい

 ライアンは80%の使わなかったものをすべて処分して、2010年にミニマリストとしての生活を始め、自分にとって必要なものを発見した彼は、ついに豊かさを感じられるようになりました。当時30歳だったライアンは会社を退職し、ジョシュアとともに、「心から情熱を注げること」をやり始めます。

2人はウェブサイト‟the minimalists“を立ち上げ、彼らのミニマリストとしての経験や実録を投稿していきました。人が「有意義な人生を生きる」支援をしたい――。それが彼らが最も心から情熱を注げることでした。

初月に52人だったサイト訪問者は、500人、5000人と瞬く間に増えていき、2014年には年間200万人、現在では年間400万人以上にのぼります。

これまでに、ニューヨークタイムズ、ウォールストリートジャーナル、フォーブス、タイム、ABC、BBCCBCからも取材を受け、2000万人を超える人たちに影響を与えています。

f:id:henlyblog:20180411130512j:plain↑2000万人を超える人たちに影響を与える「the minimalists」

「物を持たずに暮らしましょう」という単純な話ではない

 2人のミニマリズムは、アメリカで瞬く間に広まりましたが、これだけ多くの共感を呼んだのには理由があります。それこそが、日本で一般的に語られるミニマリズムと2人のミニマリズムの違いです。

ライアンとジョシュアは、「the minimalists」で、ミニマリズムとは何か?について、次のように述べています。

「一見すると、人々はミニマリズムのことを、物質的な所有物を手放すことだけだと考えるかもしれません。しかしそれは間違いです。確かに、余分なモノを取り除くことはレシピの重要な部分ですが、それは単なる1つの要素にすぎません。世間がそのことだけに関心を持っているなら、大切なポイントを見逃しています。」

ミニマリズムは、持ち物をより少なくしていくことに集中するのではなく、むしろ、より多くの情熱、より多くの経験、より多くの成長、より多くの時間、より多くの貢献、より多くの満足を受け入れるためのスペースを創り出すことにフォーカスします。日々の生活の中で感じる混乱を取り除くことで、私たちは大事なことに集中するスペースを得ることができます。」

f:id:henlyblog:20180411130636j:plain↑混乱を取り除くことで大事なことに集中するスペースを得ることができる

ミニマリズムは自由を見つけるのを助けるツールです。恐怖からの自由。心配からの自由。罪悪感からの自由。うつ病からの自由。私たちの生活ルールを作り上げた消費者文化の飾りからの自由。」

ミニマリズムは、過去や未来ではなく、今この瞬間を生きることに集中します。それは、単に少ないモノで生活することを提案するものではありません。しかし、ミニマリズムをそれぞれが異なった方法で受け入れたとしても、それぞれの道のりは同じ場所につながります。それは、より有意義な人生を送る自由がある生き方です。」

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ミニマリズムは自由を見つけるためのツール。やり方は人それぞれでいい。(the minimalists.com

健康、人間関係、情熱、成長、貢献…有意義な人生を送るために必要な“5つの価値”

 彼らがフォーカスした人生で最も重要なこととは、健康、情熱、人間関係、貢献、成長、という5つの価値です。The minimalistsでは、それぞれを深く掘り下げて語られています。(以下抜粋)

  

■情熱

あなたの人生は情熱的ですか?何に熱中していますか?これらはあなたにとって重要な質問です。これらの質問は、あなたの幸福と満足と個人の成長に密接に関連しています。

 

■人間関係

自分と近しい価値観や信念を持った人と一緒に過ごすことで、喜びや感動を共有し、分かち合うことができます。そういった価値のある交流は、人生をより意味のあるものにし、生きがいを創出します。

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■健康

健康は目的地ではありません。目的地へ向かうための乗り物です。毎日のストレッチ、定期的な運動、健康的な食事、十分な睡眠、瞑想をすることで、人生という旅をより楽しむことができます。

 

 ■貢献

自分自身を超えて人に貢献することは、私たちがモノを買うことで得ることができない充実感をもたらします。私たちが本当に生きていると感じるためには、私たちは貢献しなければなりません。価値観を共有でき、喜びを分かち合えるコミュニティを形成し、そのコミュニティの人々に貢献することです。

 

■成長

リンゴは木の上にある時、成長しています。あなたが市場(いちば)でリンゴを見るとき、それはよく熟して理想の状態に見えますが、実際はもう成長せず、腐っていくだけです。もしあなたが成長していなければ、木からもぎとられたリンゴのように、死んでいるのと同じです。あなたが生きていると感じるには、成長しなければなりません。

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あなたの人生にとって大切なものを発見できる、たったひとつの質問

 ミニマリズムは、自分の人生に価値をもたらしてくれるものを発見するのに役立つライフスタイルです。人生の道から雑音を取り除くことで、私たちは人生の最も重要な側面、つまり健康、人間関係、情熱、成長、貢献のためのスペースを作ることができます。

 

始めるのは、自分自身に1つの質問をするだけです。

物資の所有が少ない場合、あなたの人生はどういったものになりますか?