ミニマリストの軌跡

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入社3ヶ月で辞めて再就職できる?揺れる心に白黒つける方法

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「3ヶ月で辞めたら再就職が厳しくなりそうで不安…」

「でも今の仕事はどうしても辞めたい…」

入社して数ヶ月~1年くらいで転職を考えるとき、多くの人が持つ悩みです。

 

私も新卒で入った会社を1年で辞めた人間なので、今ならはっきりと言えますが、この悩み、実はたったひとつのことが原因で引き起こされています。それは…

 

 

 「辞めるべきかどうかの判断材料を持っていない」ことです。

 

転職を検討するとき、十分な判断材料があれば、少なくとも「あーだこーだ悩んで体力を消耗する無駄な時間」を過ごすことはなくなります。

 

では、その判断材料とはどんなものでしょうか。

 

1:新卒と中途の採用基準の違いを理解する

就職活動(新卒)と転職活動(中途)の違いはとっても簡単です。新卒は「ポテンシャル」を見て採用されますが、転職活動では、これまでの職場で達成した「実務能力」と「定着性」を見られます。

 

第2新卒(学校を卒業後1~3年で、転職・就職する25歳前後の若手)の場合は、「ポテンシャル」「実務能力・定着性」の両方を、半分半分で見られることになります。

 

新卒と中途の採用基準の違い

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新卒は社会人経験がないので、ポテンシャルしか見られません。

 

第2新卒では、ポテンシャル以外にも実務能力・定着性も多少見られます。

 

30代以降の転職では、実務能力・定着性の両方が見られます。

面接では「あなたは何ができるの?」といった質問がメインになります。このフェーズになると、学歴も特に問題になりません。シンプルですよね。

 

2:自分の市場価値を知る

私も社会人になって7年くらい経つまで市場価値なんて考える必要はないと思っていませんでした。

 

「は?市場価値?そんなの知った所でなんのメリットがあるの?」って思っていましたが、

実は市場価値を知ることでいろんなメリットを得ることができます。

 

市場価値を知ることで…

  • 今いる職場にありがたさを感じるようになる
  • 不満がなくなる
  • ストレスを感じにくくなる
  • 視野が広がり、やりたいことが見えてくる

 

なぜ、市場価値を知ることでこれらのメリットを得ることができるのでしょうか?

それは、多くの人が自分の能力を過大評価しているからなんですね。

 

「自分は年収400万円に値する人間だ!」と思っていても、市場全体から俯瞰してみると、「年収300万円相当の人材」であることはとても多いんです。

 

ではなぜ、本来の市場価値以上に給与を得ている人が多いのでしょうか?

それは、企業の目線で考えれば納得できます。

 

人を採用したり育成したりする時にはコストがかかりますよね。

一般的には、採用してから1年目は教育研修の期間で赤字。2年目にトントン。3年目でようやく利益が出るようになります。

 

つまり、3年~5年はたらいてもらえば利益が残るので、1~2年目の間は市場価値以上に給与を出してあげることで辞めないように繋ぎとめているわけです。

 

自分の市場価値を知る一番てっとり早い方法は、いくつか選考を受けてみることです。転職する・しないに関わらず、一度選考を受けてみるのです。

 

実際に選考を受けてみるとわかりますが、面接官からは具体的な質問がポンポン飛んできます。

そうすると、「社会から求められているスキルや経験」・「社会人として求められている人間性」がどんなものか、身をもって体感することができます。

 

身をもって体感することができれば、今あなたのいる環境が恵まれているのか、それとも、あなたの市場価値に見合わない環境なのか、確信することができます。

 

選考を受ける会社は「ちょっとレベル高いけど憧れがある」と思えるような会社がオススメです。

 

なぜかというと、仮に選考で落ちたとしても「Aという経験と、Bというスキルがあれば合格が貰えそうだな。▲▲の会社に転職すればAとBは身に付けられそうだから、一度▲▲の会社に転職して能力をつけてから、また受けてみよう」と、とても前向きで具体的なキャリアプランを作ることができるからです。

 

3:志望先の会社は「墜ちゆく船」か?

私が入社1年で会社を辞めた2010年、世の中は就職氷河期の真っただ中でした。

結果、就職活動をしても全て不採用、10ヶ月以上のニート生活を余儀なくされました。

 

今の世の中はそうではありません。

就職氷河期とは真逆の、超売り手市場です。

 

いま求職者は圧倒的に有利ですが、注意点もあります。

それは「景気が悪くなった時に生き残れないような会社もたくさん求人を出している」ということです。

 

景気が良い時は、「仕事は溢れているけど人がいない」という状態になるので、多くの会社で人を増やします。人が増えれば仕事量を増やすことができるので、儲かります。(もちろん業界にもよりますが)

 

もしこのまま景気が下がらなければ、求職者は転職先で安定的な収入を得ることができるでしょう。

 

しかし、景気がこのまま下がらないことは、あり得ません。景気は上がったり下がったりを繰り返すものですし、予期することができないものです。

 

実際、2008年のリーマンショックは誰も予期できませんでした。

「人はいるけど仕事がない」状態になりました。

 

結果何が起きたか?

人材業界でいうと大打撃を受け、中小の人材会社の半数が倒産し、大手人材会社の多くで大規模なリストラがありました。

 

私の前職は大手人材会社でしたが、リーマンショックを受けて業績が悪化し、通信会社に吸収合併されました。

人材会社に所属していた正社員の多くが、親会社である通信会社に「出向」となり、「通信サービスの訪問販売」が仕事になってしまったのです。つらい仕事ですから、大量の退職者が出ました。

 

2020年の東京オリンピック後、程度の差こそあれ、景気は後退すると言われています。

その時、またしても「人はいるけど仕事がない」状態になります。

 

リーマンショックの時と同じように、多くの会社が倒産したり、大量のリストラがあるかもしれません。もしくは、他業界に吸収合併されて、畑違いの過酷な労働をせざるを得なくなるかもしれません。

 

志望先の会社が「景気が悪くなった時に生き残ることができるのか?」は、転職先を決める上で確実に見ておきたいポイントです。

 

この記事を書いている2018年時点では超売り手市場なので、転職しようと思えばなんとかなります。特に、25歳までの第2新卒の層は、こだわりさえしなければスムーズに転職することができるでしょう。

 

ですが、「今の職場環境から逃れること」だけを考えて転職をしてしまうと、景気が悪くなった時に窮地に陥る可能性が高くなってしまいます。

 

転職先を決める際には、「志望先の企業の商品やサービスは景気が良い時しか売れないものか?」「不景気になってリストラされた時、自分はどんなスキルを手にしているのか?」くらいは、把握しておきましょう。

 

せっかく転職が決まって喜んで行く先が「墜ちゆく船」だったら、すべての時間が水の泡になってしまいますからね。

 

まとめ

アメリカには終身雇用という概念がなく、スキルアップや収入アップを目的とした転職がスタンダードになっています。

実際アメリカでは、平均的に4.4年で転職し、生涯の転職回数は9~10回と言われています。

日本においても、ようやく転職することが当たり前の世の中になってきました。

 

逆に、スキルアップすることを考えず、会社にしがみついて

 

「自分は正社員だから安泰だ。あぁ~楽だなぁ」

 

などと考えている人たちの方が危険です。

(特にマネージャーとか管理職に多くみられますが…)

 

そういった人たちは、例えるならこんな状態です。

 

ここに1匹のシカがいます。

ちょっと離れたところにはライオンがいます。

 

シカは思いました。

「やべ~ライオンだ…食われる…」

 

そこでシカは、自分の手で目を覆いました。

「おおっ!ライオンがいなくなった!!よかった~~!安心安心!

 

 

 このシカ、どうなると思いますか?

 

はい、いずれ食われます。

 

スキルを磨き続けない人に、安泰などありません。
不景気になった時に、リストラされるか出向させられるかがオチです。

 

転職を検討するとき、「3ヶ月だと不利なんじゃないか」「正社員を捨てるのが怖い」というような表面的なことを考えがちですが、大事なのはそこではありません。

 

大事なことは、「生き残り、自分の望むライフスタイルを実現する」ことなのではないでしょうか。

 

「終身雇用」や「正社員」といった幻想にしがみついている人たちは、リーマンショックのような出来事が起きたときにはじめて、自分の市場価値が低く、どこにも引き取り手がいないことに気づきます。

 

そうならないよう、まずは自分の市場価値を知り、今おかれている環境をフィルターなしで見れるようになってから、冷静になって転職を考えてみるのはどうでしょうか?